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「デート代が払えない」請求書が作れない元カレのために未経験でバックオフィスを引き受ける (連載企画オフィスハッカーを探せ!)
連載企画オフィスハッカーを探せ!
今回は、未経験から法人立ち上げのバックオフィス業務をすべて一人でこなしてきたオフィスハッカー。
渋都市 (シブシティ) 株式会社 代表取締役 松島やすこさんにお話を伺ってきました。
未経験でバックオフィスを引き受け法人立ち上げまで
オフィスハッカー 渋都市 (シブシティ) 株式会社 代表取締役 松島やすこ 氏

▼プロフィール 大手キャリアコーポレートサイトでのWebディレクター職、メディアでの編集、広告運用、マーケティング職を経て、渋都市株式会社設立に関わり、2018年7月から代表取締役に就任。 現在は経営戦略、営業、Webマーケティング業務の受託ほか、ラッパー・舞台役者としての活動経験を生かしながら、MCなどの仕事もこなす。(https://twitter.com/yasco1candy)
【内田】松島さん、本日はよろしくお願いいたします!
早速ですが、未経験から渋都市株式会社のバックオフィス業務を担当されているとお伺いしたのですが、いつ頃から渋都市さんに所属しているんですか?
【松島】よろしくお願いします。
渋都市株式会社の、法人としての立ち上げが2016年の1月なんですけど、その1年ほど前から任意団体として運営をしていて、私はその頭から携わっていました。
それ以前は、キャリアコーポレートサイトでのWebディレクター職、メディア編集、広告運用、マーケティングなどの仕事をしていて、一般企業に勤めていました。
【内田】Webディレクターからバックオフィスの担当になるって、結構なキャリアチェンジですよね。なぜ、渋都市さんの創業メンバーに加わったんですか?
【松島】渋都市はもともと、渋家 (シブハウス) という渋谷 (渋谷区南平台町) にある、クリエイターシェアハウスから始まっています。
渋家には、さまざまなクリエーターが出入りしていて、そこから生まれるアイデアや人脈を使って何か制作をしたり、仕事をしたりするコミュニティなのですが、
私はメンバーではなかったのですが、そこに、今、一緒に役員をやっている元カレが住んでいたんですよ。

▲渋都市のキー事業はhuezを中心としたライブ演出業。2015年には、「ゆず」の横浜スタジアムでのライブに参加。メドレー部分の演出とリミックスを手がける
【内田】も、もとですか?
【松島】元カレです。
【内田】書いていいんですか?
【松島】大丈夫です。大声で言っているんで。笑
そのシェアハウスに元カレがいて、今、会社ではイベント事業の現場のリーダーをやっているのですが…
デート代が払えない?じゃあ私が会計業務巻き取るよ!
【松島】その元カレがリーダーをやっているhuez (ヒューズ) という、うちのイベント事業の演出チームは、もともと渋家 (シブハウス) で出会ったエンジニアの2人が始めたチームなんですね。
当時は、小さなクラブイベントなどの演出の仕事をやっていたんですけど、
ある日突然 “神聖かまってちゃん” というバンドの、赤坂BLITZでの演出の仕事が、彼らに回って来たんですよ。
▼神聖かまってちゃん http://kamattechan.com/
それを機会に、クラブイベント以外の大きな仕事も頂けるようになって、個人事業で活動し始めました。

▲2017年には、日本武道館で開かれた「水曜日のカンパネラ」の公演で、レーザー照明や特殊効果演出を受け持つ
その時、私は前職でWebディレクターをやっていたので、正直なところ渋都市に関与するつもりは一切なかったんですけど、
その元カレが、割と大きな仕事をもらって忙しくしていたはずなのに、いつまでたってもお金がなくって。
【内田】!!
【松島】なので、デートに行くときも「お金がないから貸してもらっていい?」とか言うんですよ!
そこで、おかしい! と思い、なぜお金がないかを突っ込んで聞いてみたら、
要は請求書の出し方が分からないから、請求書を出していないと言うんですね。
【内田】!!
【松島】元カレは、いわゆる一般企業での社会人経験が全くなかったため、
一般的に考えられる、受注フローが全く分からないまま、仕事の依頼をこなしていたんですね。
当時、事務所に遊びに行ったら、現共同代表のとしくにと元カレが一生懸命仕事をしているにもかかわらず、
バイトさんにお給料を払いたいけれど、クライアントさんからの振込がないから払えないという状況にまでなっていて…
「さすがに、これはダメだ!」と思って会計業務全般を巻き取ったのが私のスタートです。
━インタビュー早々、思いもよらないエピソードトークに圧倒されるうちだ。次は企業文化について聞いてみましょう。
渋都市ってどんな会社
【内田】何名くらいで活動しているんですか?
【松島】役員が5人の、従業員が7名の計12名に、業務委託やアルバイトさんなど数名を加えて活動しています。
もともと、音楽イベントの演出で立ち上がった会社なのですが、そこから派生して渋谷109の新しい施設のオープニングイベントだったり、スポーツの試合などの演出もやらせて頂いていて、
最近では、音楽イベント以外にも、私たちの技術やクリエイティブを生かしたお仕事をもらえるようになってきました。

▲2018年には、国際交流基金が主催し、「tofubeats」などが参加する、アジアのメディアカルチャーの総合イベント「MeCA」に参加。音楽プログラムのライブ演出を手がける
うちのレーザービームの演出などを見ると、一般の方は音楽ライブやクラブイベントなどを想像しがちだと思うのですが、
そうではないところ、例えば、テーマパークや商業施設など、さまざまなところで私たちのクリエイティブが使えるということを、多くの方に知ってもらいたいと感じています。
コミュニケーションで作り上げるのが私たちのカラー
【内田】渋都市さんの経営理念やスローガンがあったら教えてください。
【松島】名刺の裏に、「出会って、 踊る。 」と書いてあるんですが、

渋都市はシェアハウスから始まった会社ということもあり、コミュニケーションをベースに作り上げていこうという意味が込められています。
顔が見えて、気兼ねなく話せる関係だからこそ、一緒に仕事をしていいものが作れると思うんですね。
もちろん、社内に対してもそうなんですけど、完全にビジネスライクの関係というより、
私生活を含め、お互いの環境に気遣いながら、「みんなが気持ちよく仕事ができるコミュニケーション」を欠かさないようにしていこう、と常に考えている会社です。
家 (ハウス) から都市 (シティ) へ
【内田】コミュニケーションは大切ですよね。
そういえば、渋家 (シブハウス) から渋都市 (シブシティ) へと社名変更されていると思うのですが、それとも何か関係があるのですか?
【松島】そうですね。社名変更は2018年の7月にしているのですが、それ以前は、「渋家株式会社」と、先ほどもご説明したシェアハウスの名前、渋家をそのまま利用していて、
もとが渋家発祥の会社ということもあり、そのまま社名に利用して便利なことも多かったのですが、
私たちの活動拠点は、シェアハウスから法人としてかまえた事務所に移っていたということもあって、
シェアハウスの運営は若手に任せてしまって、社名を変更する運びになりました。

▲2018年は、渋都市株式会社の原点である渋家の10周年となり、新旧のメンバーが入り混じった記念イベントを渋谷の新商業施設「MAGNET by SHIBUYA109」にて開催した
【松島】いざ社名を決めるときに、かなり話し合いをおこなったんですけど、
もとは、「家」というものをハブにして活動していたところから、少しずつ自分たちのコミュニケーションの領域が拡張されてきて、さまざまなお仕事を頂けているというのもあって、
自分たちのコミュニティが広がっていることを表せる言葉にしたいという想いから家 (ハウス) より広い都市 (シティ) に決定しました。
コミュニケーションの領域を広げていきたい
【松島】これからも、自分たちの領域をどんどん拡張していきたいと思っています。
渋都市は、技術を応用してエンターテイメントにすることが売りですが、それをもっと活用して、質の良いエンターテイメントを届けていきたい。
例えば、街づくりだったり。
私たちも、都市 (シティ) という名前を掲げているので、都市開発や、行政や自治体のイベントなど、街づくりにどんどん関わっていきたいと考えています。
少し表現が難しいのですが、もっとああしたらいいのに! など、何かしらの改善点が残っているイベントを目にすることも多いんですね。
もちろん、行政や自治体、代理店企業の方などが伝統などに則って企画していると思うんですけど、
渋都市の現場たたき上げ感が入ることで、おもしろい科学反応が起こせるのではないかなと考えています。
次回!明日更新予定「マルチタスクに大切なのは、お金の動きを把握すること (連載企画オフィスハッカーを探せ!)」に続く…
おまけ
【内田】印象に残るネーミングですよね!
事務所もずっと渋谷なんですか?
【松島】実は、事務所はギリギリ目黒区なんですけどね。笑 (道路一本渡れば渋谷区です!笑)
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